展示レポート「PHOTO 2018」

 レポートが遅くなってしまいました。昨年末よりフォトカノン戸越銀座店で行われていた公募展「PHOTO 2018」が1/16に終了しました。
 毎度のことながら、お越しいただいた皆さん、特にご感想を書いていた皆さん、ありがとうございます。
 今回、展示した写真は、こちら。タイトルは「boundary」。最近、好んで使っているタイトルです。って言うか、密かにシリーズにしています。意味は「境界」。「境界線」ではなく、空間を含めた「境界面」を意味します。
 今までの「boundary」シリーズでは、水面や窓の反射と屈折を撮っていたのですが、今回は「動」的な瞬間を写した写真です。boundaryシリーズだけでなく、自分の写真は「ずっとそこにあるもの」を写していることが多く、どちらかと言うと「静」的な雰囲気の写真が多いので、このような動きのある瞬間を写したのは珍しいかも?ですね。
 でも、「普段目にしているけど、大して気にしていないもの(こと)」というのは共通しているかな。毎日、この瞬間は皆さん、目にしていると思います。毎日当たり前光景だから写真は撮らないのではなく、それでもまずは撮ってみる。そうすると見えなかったものが見えてくるような気がして楽しいですね。
 今回のステートメントは、「視界を遮る電車。偶然目の前に窓が重なり覗くように向こう側のホームが見える。そして、窓にかすかに写っている自分の影。この、組み合わせに、自分とこの世界との間にある境界面を感じました」と書いてみました。
 最近、写真というのは「自分はこんな風に世界が見えている」ということを表現するものなのかなぁ、と思っています。この写真は、見えている世界そのものではなく、世界を覗き込んだ瞬間を写せたような気がします。
 実は、この写真は他の展示に出そうと思っていたのですが、写真展のテーマにしっくり合わなかったり、他の写真とうまく組めなかったりして、ずっと温めていた写真です。やっと、2018年の終わりに出せて満足しております。
 感想も思っていた以上にいただけて嬉しかったです。最近、いただく感想が長文化、かつご自身の言葉で書いていただいているように思えます。
 なんとか自分も写真の言語化と言うか、写真に言葉を込められるようになってきたかな、とちょっと自画自賛しております。
 
【展示データ】
「PHOTO 2018」    
・会場:フォトカノン戸越銀座店
・会期:2018/12/21(金)〜12/30(日)、2019/1/5(土)〜1/16(水)

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