展示レポート「展示バカFinal」

まだまだ続く展示レポート。
今回は、「展示バカFinal」です。
2012年から始まったNADARさん恒例公募展である「展示バカ」ですが、NADARさんが移転される今年に一区切りということでfinalです。
展示バカに参加する前でも、写真展はしていたのですが、それらは写真仲間と一緒にやった展示でした。
公募展に応募して誰も知り合いがいない中での展示は、この「展示バカ」が最初でした。
自分の写真に対する視野が広がった大きなイベントとなりました。
それ以降、ほぼ展示バカには参加していたのですが、そこで知り合った方々は今でもNADARで一緒に写真を楽しむ仲間となっています。

そんな中、今回展示した写真はこちら。

ポートレートです。タイトルは、「どこもかしこも駐車場」。
モデルは、ぬりさん。
まぁ、１枚しかないのに「どこもかしこも」ってのは、見る方を混乱させてしまった感もありますがw
では、このタイトルの種明かしを。
今回の展示バカはFinalということで、かつての展示バカ仲間であった石川省吾さんの作品も展示されることになりました。
その石川さんが他の展示に出展されていたときのタイトルがこの「どこもかしこも駐車場」だったのです。
確か都内のいろんな場所の駐車場の写真が並べられていて、キャプションには「”どこもかしこも駐車場”と森山直太朗は歌っているけど・・・」みたいな出だしが書かれていました。
自分はよくストリートで女の子を撮っているのですが、駐車場を見かけるとついそこで撮ってしまうこともあり、石川さんと「つい撮っちゃうよねぇ。たくさんあるよねぇ」みたいな話をしたような記憶があります。
写真展の会場で石川さんとお話ししたのは、それが最後だったかな。
そして、これは偶然なのですが、石川さんの作品が出展されると知る前に、森山直太朗の「どこもかしこも駐車場」ってまた聞いたことがないなぁ、と思い出して、youtubeで検索してMVを見ていたりしていたのです。
そんなわけで、いろいろと思うことが重なって、展示バカFinalでは、駐車場で撮ったポートレートを出すことにしました。何枚も候補はあるのですが、2023年に撮った中のでの１番のお気に入りです。
アイドルがグラビアとかではなく、カルチャー誌でのインタビュー記事とかに差し込まれるようなポートレートになっているような感じで、また、白線を跨いでいるところになんとなっく意味がありそうな雰囲気も気に行っています。
ちなみに、ブックはもちろん全て駐車場で撮ったポートレート。ブックをご覧になった方には、この話を知らなくても「どこもかしこも」も意味をわかっていただけたと思います。
まぁ、１枚の写真でこのタイトルは、やっていはいけないパターンの一つですねw
在廊しているときに、石川さんのご家族がいらっしゃって、このエピソードをお伝えできて良かったと思います。

という感じで、いろんな思い出が詰まった展示バカのいろんな思いを詰め込んだFinalなのでした。
あ、額装はこんな感じで。
アスファルトをイメージして、マットもグレーにしてみました。