毎度遅い展示レポート。気がつけば終わってから2週間が経ってしまいました。
今回は、NADARさんで行われたポートレートの写真展である「一期一会」です。
お越しいただいた皆さん、一緒に展示された皆さん、展示にご協力いただいたモデルさん、そしてNADARスタッフの皆さん、ありがとうございました。
何気に「一期一会」も3回目ですかね? すっかり恒例の写真展になりました。
今回は、その船寄剛さんのワークショップ「ポートレート塾」を修了した受講生と、公募による出展者によるポートレート作品の展示でした。自分は、受講生としての参加です。
「ポートレート」と言うと純粋には「肖像写真」であり、被写体が人物であれば、それは「ポートレート」であり、ある意味幅広いジャンルとも言えますが、昨今、なんとなく、非常に狭く一部で盛り上がっているような錯覚を覚えるジャンルでもあります。ともやっと書いておきますw
と言いつつ、自分も女の子のポートレート出しているわけですがw
今回は、撮り下ろしではなく、すでに撮影してSNSとかでは発表済みの写真をまとめることにしました。
これは、現在、公開中であるオンライン展示「TUNAGU」でも同じコンセプトなのですが、やはり、プリントしてギャラリーで展示したいと思い、それをこの「一期一会」で実行することにしました。
SNSだとどうしても、TLで流れて行くだけで、写真間の繋がりとか見えにくいと言うか、1枚だけ見ることと全体を眺めることが同時にできないところが写真の鑑賞方法として、不足しているような気がします。
SNSなどのネットでは、「確認」や「知る」には便利なツールですが、「観る」ことは難しいのではないか、と思います。
そんなわけで、今回はこんな感じで展示してみました。
各写真はこちらにて。
タイトルは「いつも君に逢うところ」。
ポートレートって、被写体の個性や人なりを写すものとか関係性が見えるものが良いと語られることが多いです。
まぁ、それは間違いではないとは思いますが、撮る側が「被写体の個性」を写そうと意識しすぎると、それは撮る側がどこかで見た”「被写体の個性が出ている」と感じている写真” に寄せることが主になってしまうような気がするのです。
そもそも、個性とは出すものではなく、意識していなくても、出てしまうものなのではないか、と考えています。
着ている服、佇まい、それだけでも十分に個性だと思うのです。
また関係性と言っても、家族でも普段付き合いのある友達でもないのに、自分と被写体の関係性ってありえるのか? それって自分が表現すべきlことなのだろうか、と前々から思っていまして。
改めて考えると、関係性を感じて良い写真と思うのは、見た人が撮影者と被写体の関係性に興味あるのではなく、自分と誰かの関係を思い出すからなのではないか、と思ったりして。
ってことで、今回の展示では、特別な場所や綺麗な場所ではなく、本当にその辺の街中で撮影したポートレートをセレクトしてみました。
普段、誰かと過ごしている場所ってのは、ほとんどこう言う場所だと思うのです。そして、誰かと一緒に過ごした記憶は、場所とセットで記憶されているのではないでしょうか。
”あぁ、あのとき、あそこに〇〇の花が咲いていたな”とか”坂を下りながら話したな”とか。
観た人に誰かと過ごした記憶を思い出してもらえたらいいなぁ、と思ってこのコンセプトでまとめてみました。
なるべく記憶にひっかかるようにその場所の情報も映るようにポートレートとしてはかなり絞って撮っています。
同じコンセプトでのセレクトである「TUNAGU」展とは違って、今回はちょっと前に撮った写真も混ぜてみたのですが、最近撮った写真と違和感なく並べることができたと思っています。
自分がブレずに撮り続けているのか、それともただこれしか撮れないのか? その辺は、ご覧いただけた方にお任せしますw
全体的に普段若い女の子の写真を撮らない方々からはポジティブなご感想を頂けたと思います。人によって気になることが違っていることがわかって感想カードを読んでいて、おもしろかったです。そして、普段、若い女の子の写真しか撮らない方々からのリアクションはありませんでした。まぁ、これは想像はしていましたけどw
思えば久しぶりにポートレートを展示した写真展でした。
しばらく、展示のための撮り下ろしをしていないけど、次は撮りおろしのポートレートを展示したいな、と。
【ポートレート写真展「一期一会」】
・会場:NADAR(南青山)
・会期:2021/8/18(水)~8/22(日)
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